渡辺ひろしホームページ“市政一貫”

議会発言

平成18年第3回定例会(第6日目)

平成18年9月15日

 

一般質問

質問:渡辺博

 去る九月十一日、虚偽通報により関山トンネルに大規模な火災出動がありました。本市出動台数十九台、人員五十九名、隣接する山形側からも東根市消防本部四台、天童市消防本部一台と広域的な大がかりなものとなりました。結局虚報とわかり、人命にかかわるような事故には至らず事なきを得たとはいうものの、この事例は事の重大さを認識しながらも、今まで効果的な手が打てずにいた課題解決のため、真剣に取り組まなければならない好機ととらえ、問題提起されたと思っていいのではないかというふうに思います。まず、この案件の経緯についてお尋ねをいたしたいと思います。
 また、虚報とわかったその後、この件に対して現在どのような対処をされておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 本市消防局の資料によると、一一九番の入電数は年ごとに増加の傾向にあり、昨年度はついに八万件の大台に乗っております。同時に、今回の例にも見られる虚報件数も増加の傾向にあり、今年度は九月現在で昨年を上回る三十七件と、ここ数年中の最多を記録いたしました。出場までには至らないいたずら電話も許されないことではありますが、実際に車両、人員が出動する虚偽通報、虚報に対しては、根本的な対策を講ずるべきであると考えますが、いかがお考えでありましょうか。そのためにも、犯罪として立件するために必要な体制づくりなど、繰り返し同じことが起きぬような対策に経費と労力を惜しむことはないと考えますが、いかがでしょうか。
 この虚報問題は、ひとり本市だけの問題ではなく、全国的な社会問題となっております。本年一月、長崎県大村市のホームで入所者七名が死亡したケースでも、虚報が重なり、その確認での出場のおくれが批判されるということがありました。事は社会生活を維持していくための根底にかかわることだけに、虚報などという行為は決して許されることではありません。また、このような行為が起き得ない体制を整備するのが行政の責務であると考えます。
 虚偽通報、虚報は、公務員への虚偽申告として取り扱われ、軽犯罪法に位置づけられ、拘留、科料などの罰則が規定されております。虚報は明らかな違法行為であります。しかし、現在制定されている法律では、不法行為の抑止力にはなっていないと思われます。虚報に対処できるための関係機関の連携、技術導入を取り入れたシステムの開発に取り組むとともに、罰則の強化など法整備を国に働きかけをするなど、再犯防止策を根本的に考えていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。本市としてのお考えをお聞かせいただきたいと考えます。
 先日、地元の中学校の文化発表会に招かれ、生徒たちの活動の様子を知る機会を得ることができました。ステージを舞台にしての合唱、ブラスバンド、英語弁論、演劇、そして各教室における展示発表、一部にやや幼さはかいま見えても、どれを見ても着実に大人への成長の階段を上がっていると感じることができました。生徒たちの努力はもちろんのこと、日ごろより指導される先生方の努力の成果と、心から感謝と敬意を表したい気持ちになりました。子供たちが、このまま素直に一人一人の持って生まれた才能を育て、花開かせてほしいと心から祈る思いであります。
 一方、子供たちを取り巻く社会環境は、相変わらず厳しいままにあります。飲酒運転の続発に見られる社会モラルの緩み、子が親を傷つけ、親が子を殺す、人倫にもとるような事件が頻発しております。子供たち自身が、人生の荒波に立ち向かえる力をみずから養っていくと同時に、私たちがこれら成長過程の児童生徒を守り育てていく環境の整備、充実を図っていくことが必要であることは、今さら申すまでもないことでありましょう。
 本市においては、教育局が主にその役目を担って、幾つかの組織を編成し一定の成果を上げております。例えば、児童生徒の健全育成と安全確保を目的とした地域ぐるみ生活指導連絡協議会、学校と警察が連携し児童生徒の非行化防止を目的とした学校警察連絡協議会、教職員による校外の児童生徒の健全育成と安全確保を目的とした仙台市校外指導連盟、中学校の生徒を対象とした生徒指導主事による校内外の生徒の健全育成を目的とした中学校生徒指導主事連絡協議会などがそれであります。
 昭和四十一年発足で、四十年の歴史を持つ学校警察連絡協議会を最古参として、それぞれの組織は二十年前後の歴史と実績を培ってきた大事な機関でありますが、しかし、学校が果たすべき役割の増加と限られた人的資源、時間を考慮し、より効果的活動を考えれば、時代の変遷とともに各組織の役割の見直し、整理・統合も必要になってきていると思うのであります。御認識をまずお聞かせいただきたいと存じます。
 特に、地域ぐるみ生活指導連絡協議会の存在は、極めて重要かつ、その充実が求められていると思います。地区によっては、中学校区健全育成協議会と称するところがあるこの組織は、市内六十三中学校区に設けられており、中学校区内の小学校はもとより、それぞれのPTA、連合町内会、防犯協会、交通安全協会、民生・児童委員など、いわゆる地域を支える多くの団体が加入をしております。活動内容も多彩で、お互い常日ごろから顔なじみの関係であるだけに事業効果も上げやすいし、いざというときの即応力も十分発揮できる組織であります。
 現状を見ると、教育局は、それぞれ会の活動に任せて今日まで来られたようであります。地域性を生かすことは大事ですが、本市全体としての一定の機能を確保し水準を上げていくことがまず重要であると思いますが、いかがお考えでしょうか。この際、加入団体、その活動実態等を調査され、さらに充実した活動ができるよう、必要な環境整備をするべきであると思いますが、いかがでしょうか。これまでの対応、現状認識、今後の考え方についてお聞かせをいただきたいと存じます。
 次に、児童生徒の学力の向上についてお考えをお尋ねいたします。
 子供の心身ともにバランスのとれた成長を願うのは、大方の親の共通の願いであると思います。学校の成績だけがすべてではないとはいうものの、しかしながら、一定の学力は身につけてもらいたいと思うのも大方の親の願いであろうと思います。
 学力とは何かという点についてはいろいろな意見がありますが、学力調査の結果、本県が全国でもそう高くない位置にあるというのは紛れもない現実のようであります。まず初めに、本市児童生徒の学力についてどう認識されておられるのかお聞かせをいただきたいと思います。
 いただいた資料、「本市の学習意識調査」のうち家庭での学習状況を見ると、授業以外の学習方法として、小学生の三割、中学生は五割が塾や家庭教師に教えられているということであります。全国的にも塾に通う通塾率は上がっており、平成九年度の文部省の行ったアンケートによると、小学校六年生の通塾率は四三・二%と、過去に比較して上昇傾向にあるということであります。現在も増加しているということが予測されます。
 また、別の調査によると、塾に通っている子供とそうでない子供との間には、明らかに成績に差があるという結果も報告されております。塾に行けない子供、公立学校にのみ通わざるを得ない子供たちの間でより格差が出てきているという報告に、親たちは不安な気持ちを持たざるを得ません。この件に関して、本市の子供たちは今どのような状況に置かれているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 公立学校が、その教育の課程の中で、予備校、塾に頼らざるを得ない状況にあると考えた方が現実認識として正しいのでしょうか。そうだとしたら、まことに悲しいことであります。とはいいながら、学力問題はまたひとり学校だけに責任を求める問題でないことも明らかであります。その認識の上でお尋ねをいたします。本市教育委員会として現状をどう御認識され、どのように対応されようとしておられるのか、まずお聞かせをください。本市においても、児童生徒の補習授業が行われている学校が一定の割合であるようであります。懸命なる学校側の努力をかいま見る思いであります。ここで改めて、その目的、効果、今後の見通しなどについてお聞かせをいただきたいと思います。
 子供たちに、すぐれた教育環境をつくるために期待されるのが、プロ集団と自他ともに認める教師の活躍であります。現在、現役の多くの先生方は、理想と使命感に燃え、教職を一生涯の仕事として選び、極めて難関な採用試験をパスして現在その職にあります。かつて教員の中に一定数存在し、「でもしか教諭」とやゆされたとは話が違うのであります。私自身の経験から申しても、長いPTA活動で触れ合った先生の多くは、子供たちを愛し、職務に献身的な方々でありました。どんな職場でもそうであるように、忙しい先生はさらに忙しく、そうでない先生はそれなりにという風景も見てまいりました。しかしながら、先生は本当に忙しい。その忙しさの中身を分析し整備することも、考慮することが今必要になってきていると思います。先生が教職本来の仕事に一意専心していただければ、児童生徒に対する取り組みもさらに充実したものになると思っております。
 平成十七年十月、当市教育委員会がまとめた勤務実態調査を見ると、先生方の忙しさがかいま見られます。残業の多さ、仕事の家庭への持ち帰り、年休の未消化率の高さ、休息・休憩のとりにくさなど、解決すべき課題が多く見受けられます。教師の個人的な情熱と使命感だけでは解決できぬ、根本的な問題があるのではないかと考えます。今回の調査は、教職員の勤務状況を把握することが目的であり、各校において校長が結果を経営に生かすようにとの指示があるようであります。調査対象は小学校、中学校は抽出によるものですが、結果は仙台市内全体の傾向と見てよいのでしょうか。さらに、調査結果を分析し、どのような評価をされたのでしょうか。また、教育委員会としてどのようにこの調査を生かそうとしておられるのでしょうか、お尋ねをいたします。
 教育委員会ばかりでなく本市全体で取り組み、解決すべき課題が多々あるように思いますが、御認識はいかがでしょうか。また、課題解決には、教育委員会、自治体だけでは難しく、国への要望も必要に思いますが、どう御認識されておられるのでしょうか、あわせてお尋ねをいたします。
 次に、教員評価システムについてお尋ねをいたします。
 今回試行されている、試しに行われております教員評価システムは、本市教育委員会の依頼を受けて、教員の評価に関する検討委員会が平成十五年から三年かけてまとめ上げ、抽出校での一年の試行を踏まえて、最終的に本年三月報告されたものであります。ここで改めてお尋ねいたしますが、本市の教員評価システムの目指すものは何なのでありましょうか。また、今までと異なる点、他と比較して特徴的な点をあわせてお示しください。現在本市では、来年の実施に向けて全校試行と聞いております。現在問題はないのでありましょうか。
 具体的にお聞きいたします。評価者についてでございます。このシステムが健全に機能し成果を上げるためには、評価される側が評価する立場の側を信頼することができるかどうかにかかっていると思います。そのためには、評価する側が十分な準備をすることが求められます。具体的には、評価者は第一次は教頭、第二次は校長と定められております。しかし、一方、日常、校長、教頭は内外ともに多忙な職務をこなしております。評価のための時間の確保を初めとして、体制は十分なのでしょうか。また、評価をより権威あるものにするために、評価に対する意見を考慮することを求めております。と同時に、保護者、児童生徒の意見も評価の過程で尊重すべきことになっております。これらにどのように対応するお考えなのでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 この評価システムの運用により、使命感と情熱にあふれた教員がさらに生き生きとして意欲を燃やし、自分を高めていくことにつながり、結果、児童生徒の教育が充実していくことを願うものであります。この評価システムを運用するに当たり、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 過去、本会議場では、行政の継続性の視点で何度となく論議が行われてまいりました。梅原市長就任以来、議会で論議されたのは政策を継続するかどうかの視点でありました。私は、政策を執行していく過程での、事務引き継ぎの不十分さから起こるトラブル防止の視点でお尋ねをしたいと思います。
 行政事務の整合性、一貫性の確保は、市民の本市行政への信頼と期待と協力を確保するために重要な要素であると思います。しかしながら、事務引き継ぎが十分でなく、担当者がかわった時点で認識の違いからトラブルになり、市民の側が行政へ不信感を抱いてしまうということがいまだに起こっているのであります。担当者がかわって認識の違いが起き、問題が発生するなどということはあってはいけないことであると思います。これは、古くて新しい問題でもあります。
 まず、市長にお尋ねいたします。この行政の継続性についてどのような御認識をお持ちか、お考えをお聞かせください。また、前職の時代、どのようなお心がけで職務に取り組まれていたのでしょうか。
 次に、行政事務の整合性、一貫性を確保するために、本市においてはどのような体制で取り組んでおられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 施行中の事業において、特に個々の交渉事で行政側と市民の認識の違いが起こらないよう、仮に起きても双方で納得できる解決策を得られるような具体的手法を考えてもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 仙台市政に議会の側から参画するようになって、今日まで実にさまざまな事業にかかわってまいりました。既に完結したものもあれば、継続中のものもございます。その中には、「あのとき書類で確認しておけば」と市民側がほぞをかむことが決して少なくない回数ございました。その経験から申し上げているのでございます。繰り返し申し上げますが、行政は、市民の信頼と協力によってその役割が果たせるのであります。そのために、必要なことは前例にかかわらず手当てをしていっていただきたいと願います。
 梅原市政のこの一年、私は議会議員として一定の距離を保ちながら、是々非々の立場で各定例会で発言をしてまいりました。市長就任後一年、毀誉褒貶の中にある梅原市長であります。
 さて、今月九月、ダンススポーツ選手権in仙台が開催され、ラテンの部で石原・齋藤組がグランプリを獲得いたしました。先立つ七月、仙台市のダンススポーツ団体の二十周年記念大会があり、来賓として出席された市長は、祝辞の後、請われるままに軽快なステップでダンスを披露され、満場を沸かせました。その相手が、当日ゲストとして来仙しておられた、今回グランプリ獲得者のパートナーの齋藤愛さんでした。同席した一人として、梅原市長の新しい一面を目の当たりにして、うれしく思った次第でした。
 これからの一年、市長がおっしゃる村おさの責任を引き続きお持ちいただきながらも、市民のよきパートナーとして軽快なステップを踏みながら、市民満足度ナンバーワンのグランプリ獲得に向かって歩んでいただきたいと切に希望するものであります。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

答弁:市長(梅原克彦)

 ただいまの渡辺博議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、去る九月十一日の虚偽の通報による火災出動に関する私の考え方を申し上げます。詳しくは、後ほど消防局長から御答弁申し上げますけれども、議員御指摘のように、こういった事案は大変にゆゆしき事態であると認識をしております。言うまでもなく、他の方々の人命にかかわる極めて深刻な問題であると考えます。したがいまして、本市として毅然とした対応で臨むべきこと、そして、そのための根本的な対策を講じる必要があると認識しております。したがいまして、今後ハード、ソフト両面で、こういった虚偽通報を犯罪として立件できるような体制づくりを進め、悪質な場合には告発も辞さないという姿勢で、警察などと連携してまいりたいと考えております。詳しくは、消防局長から答弁を申し上げます。
 次に、教育、あるいは子供さんを取り巻く社会環境の整備につきましての一連の御質問に簡潔にお答えを申し上げます。
 教育は言うまでもなく、国の、そして国民、市民にとって最も重要な事柄でございます。戦国時代末期、たくさんの宣教師、イエズス会の宣教師たちが日本の社会をかいま見たときに、その教育水準の高さ、識字率の高さについて大変な感銘を受け、イエズス会の本部に報告をした。あるいは、明治初期においてたくさんの外国人が来訪し、日本の社会の特性、特徴を報告する際、その圧倒的な教育水準の高さ、あるいは特性の高さについて本国に報告をしていると。こういった事柄に示されますように、今日我が国がここまで発展をしてきたことの最も根本的な要素であると考えます。資源もなく、狭隘な国土に一億数千万人が暮らす私たちの日本が、今後さらに発展していくために、そして、もちろん国民一人一人、市民一人一人が幸福な人生を送っていくために、教育というのはまことに重要な分野であると、こういった認識に立って教育行政を進めてまいりたいと考えております。
 詳しくは教育長から御答弁申し上げますが、現在の仙台の子供さんたちのための教育、とりわけ公教育については私どもが大きな責任を担っておりますけれども、学力を含めて決して満足できる状態ではないという認識を持っております。とりわけ、所得格差によって学力に差がついて、親御さん、保護者の方々の所得格差が学力の格差につながると、こういった傾向が一層強まっていることはまことに深刻な状況でございまして、そのためにも公教育、初等・中等教育において、あるいは小学校、中学校、仙台市立の高校を含めて、学力の向上……、心ある、一生懸命熱意を持っておられる先生方のお声もお聞きしながら、私自身、時々学校の先生方の現場の声を個人的に伺ったりしております。先生方ともよく御相談をしながら、もちろん教育委員会とも相談をしながら進めてまいりたいと思っております。
 次に、行政の継続性についての御質問でございました。
 言うまでもなく、市民サービスを含めて行政には継続性が求められます。私自身、もちろん仙台市長として、藤井黎前市長のすばらしい御業績を引き継ぎ、それを継承し、そしてさらに発展させていくということを公約に掲げさせていただきまして、仙台市長に就任をいたしておるわけでございますけれども、行政には発展性が常に求められるわけでございますが、継続性もこれまた非常に重要でございます。とりわけ、市民の皆様に決して御迷惑をおかけすることのないように、議員御指摘の通常の業務におけます、さまざまな業務における、とりわけ人事異動によりまして担当者が交代をした際のスムーズな引き継ぎ、行政の継続性ということは非常に重要なことだと思っております。
 私も、昨年まで国の行政官として、この点については当然のことながら意を砕いてまいりました。引き継ぎ資料の作成、数十時間にわたる実際の引き継ぎ作業、そして後任に対する的確なアドバイス、あるいは相談に応じたりといったきめ細かな引き継ぎ事務を行うことによって、行政の継続性が遮断されないような努力をしてまいること、これは行政官の心得としてまことに基本的な事柄の一つであると考えております。
 仙台市役所としての取り組みにつきましては、後ほど関係局長から御答弁申し上げますが、私自身も幹部を通じて、議員御指摘の点につきまして、職員幹部に指導してまいりたいと考えております。
 そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。
 以上でございます。

答弁:消防局長(可沼伸一)

 虚偽の通報による火災出動についての御質問にお答えを申し上げます。
 初めに、本事案の経緯でございますが、九月十一日午前九時五十六分、携帯電話から「関山トンネルで、大型車両を含む五台の交通事故により火災が発生している」との通報がございました。出動状況につきましては、トンネル内の火災という特殊性、活動の困難性から、ヘリコプター一機と消防車、救急車十八台を出動させ、山形県内の二消防本部からも五台の消防車両が出動したところでございまして、災害発生の事実はなく、虚偽の通報であると確認をいたしました。
 その後の処置につきましては、速やかに警察機関に通報を行いますとともに、無線交信記録の保全、録音された通報内容の複製等を行いまして、警察機関からの要請に応じ、関係書類等の提出を行ったところでございます。
 次に、虚偽通報への対策についてでございますが、今回のように多くの消防部隊を出動させている状況において、他の場所で災害が発生した場合には被害が拡大することも懸念されますことから、こうした虚偽通報には毅然とした対応で臨むとともに、根本的な対策を講じる必要があるものと認識をしております。そのために、これまでも警察機関に対しまして、同様の事案が発生した都度通報しておりまして、場合によっては被害届を出すなど、定期的な意見交換も含め、連携を図りながら対応してきたところでございます。
 今後につきましては、議員御指摘のように、ハード、ソフト両面で虚偽通報を犯罪として立件できる体制づくりを進め、悪質な場合には告発も辞さないという姿勢で、警察機関との連携をより一層深めながら、厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
 次に、根本的な再犯防止策についてでございます。
 まず、虚偽通報に対処できるシステムの開発につきましては、指令室の一一九番システムと同様、証拠保全に対応できる措置を消防署所の加入電話にも講ずることや、来年度から携帯電話等でも固定電話と同じ発信位置の特定が可能になりますことから、このサービスの早期導入の検討を進めているところでございます。
 また、これら事案に対する法整備等の国への働きかけでございますが、御指摘のとおり虚偽通報は本市だけの問題ではなく、全国的に根絶に向け取り組む必要があるものと認識をいたしております。このため、全国の消防本部の消防長がメンバーの全国消防長会に問題提起をいたしまして、専門委員会での審議を通じ、法整備など再犯防止策につきまして、国に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

答弁:教育長(奥山恵美子)

 私の方からは、教育に係る各般の御質問についてお答えをさせていただきます。
 まず初めに、青少年の健全育成に係る各組織の役割の見直し等についてでございますけれども、それぞれの組織は教育委員会と共催して「防犯・子どもを守ろうデー」を実施するなど、さまざまな活動を通し、長年の間、児童生徒の健全育成並びに安全の確保に大きな役割を果たしていただいております。それぞれの組織の目指す方向性は同じでございますけれども、その組織の成り立ちや活動内容の重点が異なりますことから、まずは関連した類似の活動についての調査・検討を行いました上で、一定の整理を促してまいりたいと、そのように存じております。
 次に、地域ぐるみ生活指導連絡協議会についてのお尋ねでございますけれども、これまで協議会では研修会等を開催し、活動の充実や啓発に努めながら、各中学校区の特色を生かした地域挙げてのあいさつ運動や広報啓発活動等の青少年健全育成活動を行っていただいております。
 教育委員会といたしましては、そのような活動は大変重要であると認識しておりまして、その水準が維持できるよう、これまでも助成を含めた支援を行っているところでございます。しかしながら、現状を見ますと、各地区ごとに活動の頻度などばらつきが見られることも事実でございまして、今後につきましてはこのような事態を踏まえ、教育委員会といたしましても実態を調査するなどしながら、協議会と御相談をし、より全体としての活動が充実、活性化するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、本市児童生徒の学力についてのお尋ねでございます。
 平成十七年度の四県合同学習状況調査結果によりますと、正答率六〇%以上段階の問題数とその割合におきまして、小中学校のすべての教科で四県の平均以上となってございまして、本市児童生徒の学習の定着状況はおおむね良好と、このようにとらえてございます。しかしながら、小学校の理科につきましては、学習の定着度が他の教科よりも低くなっておりまして、こうしたことにかんがみまして、教育委員会としましては、現在、理科教育のさまざまな改善、取り組みの充実を図っているところでございます。
 次に、学習塾についてでございますが、塾に通います割合は学年が進むにつれて高くなる傾向にあり、お話にもございましたように学習状況調査によりますと、小学校の高学年でおおむね三割、中学生ではおおむね五割というように把握をいたしております。
 塾につきましては、いわゆる受験学力を高めることに主眼を置きます塾、また、他方では補充的な学習に力を入れているところなど、その効果については一概には定めがたい部分があろうと考えております。しかしながら、塾には地域的な偏在ということもございまして、すべての学区においてこれが利用できるというものではございませんし、また、御指摘のように経済格差がこれに反映することは好ましくないというような御意見も十分承知をいたしております。
 したがいまして、私ども教育委員会といたしましては、公教育としての学校教育が一定レベルの学力を一人一人の子供たちに習得させることが基礎・基本、一番大切なことであると考えておりまして、各学校におきましては、カリキュラムの工夫、また個別の進路に応じた学習相談を行うなど、さまざまな工夫と努力を重ねているところでございます。
 あわせて、教育委員会といたしまして、現在学力の向上に大きな課題であると思っておりますのは、この状況調査にも出てまいりますが、家庭における学習時間が極めて低い状況にあるという現状でございます。このことを大きな課題と思っておりまして、現在これへの対策として、小学校三年の算数及び五年の国語について家庭学習ノートを作成し、家庭での学習支援もまたあわせて考えていきたいと思っているところでございます。このように、学校、家庭それぞれの場において、一人一人の子供たちの学習支援が十分行われるよう、教育委員会としてもこれからも努めてまいりたいと、そのように考えております。
 次に、児童生徒の学習のおくれに対応するための、いわゆる補習のあり方についてでございます。
 現在は、いわゆるかつてのような受験対策としての一斉の補習を行っている学校は、小中学校では現在ではないものと把握をしてございますけれども、各学校におきましては、児童生徒一人一人の学習の理解度やつまずきなどに対応した指導を工夫し、積極的に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、始業時間前に漢字や計算の復習や練習をいたしましたり、また放課後に、自由参加の形態をとりますけれども、教科などの個別指導の場を設けたりしている学校がございます。また、長期休業期間中に、学習相談として主に中学三年生を対象に補足的な授業を行っている学校もございます。教育委員会といたしましては、今後も各学校がそれぞれの実態に応じて、放課後などの時間を有効に活用しまして、児童生徒一人一人の確かな学力向上につながる取り組みが実施できるよう支援してまいりたいと存じます。
 次に、教師のやる気がさらに起きる職場環境の整備についてのお尋ねでございます。
 議員御指摘のように、教育活動をより充実したものとしますためには、教員が児童生徒へ直接接する時間や教材研究等の時間を十分に確保する必要があり、その参考とするために、平成十七年十月に教員の勤務実態調査を実施いたしました。この調査は、小中学校については、学校規模及び地域性を考慮し対象校を抽出しておりますことから、その結果はおおむね市全体に同様の傾向と考えております。
 調査の結果からは、年次有給休暇、あるいは休憩・休息がとりにくいなどの勤務実態が明らかとなったため、教育委員会では、平成十八年三月に各学校長に対しまして調査の結果を通知するとともに、学校での各種業務の精選、効率化をさらに進めるよう指示をしたところでございます。
 今後も、こうした勤務状況の改善が図られるよう、現場の声も取り入れながら創意工夫を重ねる一方、御指摘のようにこの問題は市単独では対応が難しい面がございますので、現在、国により全国的に行われております教員の勤務実態調査の結果等も踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、教員評価システムについてのお尋ねでございますけれども、本市が実施に向けて検討を進めております教員評価システムは、一人一人の教職員の資質、能力や意欲の向上を通して、学校の活性化及び教育活動の充実を図っていくことを目的としております。
 その特徴といたしましては、校長からの一方的な評定ではなく、教職員みずからが教育活動の計画を定め、その達成状況について自己評価や管理職との面談など、双方向性のある評価活動を行うという点があげられます。また、評価結果についても、すべて本人にも提示することとしております。
 現在、来年の本格実施に向けて全校での試行を行っておりまして、現段階では特に支障なく進行してございますけれども、今月末に行う試行の中間調査において、なお実施上の諸課題等について調べることとしております。
 次に、評価者が評価を行うための時間の確保についてのお尋ねでございますけれども、昨年度に実施いたしました試行の結果によりますと、教職員数が多い学校の一部では、面談実施期間の延長が必要となる場合がありましたけれども、おおむね評価時間の確保は可能であると考えております。
 また、保護者、児童生徒の方々の意見については、日ごろから教育懇談会などのさまざまな機会や方法によりこれを把握することとしておりますが、評価に当たっては、これらの意見を十分に踏まえて行うよう指導してまいりたいと考えております。
 最後になりますけれども、仙台市の学校教育の充実に資するために、今回の教員評価システムが有効に、かつ適切に機能するよう、本格実施に向けて、私といたしましてもより一層の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

答弁:総務局長(五十嵐悦朗)

 行政の継続性についてのお尋ねのうち、事務の引き継ぎなどの点について御答弁申し上げます。
 本市におきましては、事務引き継ぎが確実に行われますよう、引き継ぎ文書の作成、あるいは上司への報告といったことの徹底を図っているところでございます。とりわけ、紛争中や施行中の事業につきましては、市民や関係者の皆様から不信や誤解を招くことのないよう、その徹底を図っているところでございます。
 今後、その事業の目的や課題、前提条件などにつきまして、前任者、後任者、あるいは当事者の方が、継続した共通の認識が図られますよう十分意を用いて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

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