渡辺ひろしホームページ“市政一貫”

議会発言

平成19年第3回定例会(第6日目)

平成19年9月13日

 

一般質問

質問:渡辺博

 梅原市長は御就任以来、市長のお言葉をお借りすれば、村おさとして仙台市政において積極的にリーダーシップを発揮してこられました。その高邁な理想、市民の幸せ実現に取り組む決意と情熱は、本来一定の評価を受けてしかるべきものと考えます。
 しかし、前任の藤井市政十二年間の間に培われた市民協働を基本とした市政のもと、政策立案・施行までの過程をじっくりと十二分な時間をかけて取り組んできた市民にとっては、梅原市長の仕事に対するスタイルは戸惑いと反発を感じさせることになったと思うのであります。
 思いが先行し、市民並びに関係団体に説明と理解を求める努力が十分でなかったのではないかと考えますが、梅原市長の現在の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
 市長が並々ならぬ意気込みで取り組まれた都市ビジョンと仙台21プランとの関係について改めてお尋ねいたします。
 仙台市のまちづくりの基本となっている仙台21プラン「仙台市基本計画」は、おおむね三カ年程度の実施計画をもって具体的なまちづくりに取り組む仕組みになっております。実施計画を三年と区切ったのは、時代に合わせて優先順位を柔軟に変更できる大きな知恵であると私は思っております。また、実施計画は、そのときそのときの市民、議会との論議の成果が計画に生かされてきたものと認識をしております。
 平成九年三月に策定をした基本構想を改めて読み直してみると、時代の流れの動向と課題に関し、基本的には的確に把握しており、大きな誤りはなかったと私は考えます。それに基づく基本計画も着実に実行されてきているものと考えております。
 そこでお尋ねをしたいのですが、市長は本市の基本構想に関してどのような認識を今お持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 また、仙台21プランは、計画期間の最終年度二十二年度まであと三年余り。新たな構想のもと、新たな計画の策定に取り組む時期が来ていると思います。今現在、いかがお考えでありましょうか。
 地方分権が今政治課題として大きくクローズアップされてきている中で、基本構想にあるように、仙台市が東北の自立的発展を支える高次な都市機能の集積を図るためには、今までのように中央と東北地方の中継的役割を超えて、東北各地域との多様な連携を支え、産業の振興や地域活性化を支援する役割が本市に強く求められていると思います。市長はその点についていかがお考えでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 市長就任以来、早速山形市、福島市と本市は観光連携の協定書を締結、行動を開始しました。藤井市政の時代から議会において三市連携の提案をしてきた一人として、大いに期待をするところであります。市長は、現在、これまでの活動をどう評価されておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 私は、観光は連携のあくまで糸口であり、さらに緊密な連携を図ることが求められていると考えておりますが、いかがでしょうか。将来構想があれば、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
 先日、加藤和彦議員の質問に答えて、東北州の州都仙台という御認識を示されました。私もそうあればよいと思うものでありますが、州都への道はかなり険しいのではないかと考えます。本市都市ビジョンは、暮らしやすい都市仙台が東北の発展に貢献する都市仙台であるという認識を示しております。仙台市のソフト・ハードの都市インフラの整備は、州都としての仙台実現の必要条件であっても、絶対条件ではないと考えます。今求められるのは、東北各都市から信頼と期待を得ることであり、そのための不断の努力を意識して行っていくことであると考えます。
 そのためには、基本構想に示されているように、本市が意識して東北各都市との多様な連携のかなめとなっていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。この件に関して、現在どのような取り組みがあるのでしょうか。梅原市長の御認識とお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 これまで東北市長会の責任者として、道州制を見据えてどのようなお考えで、いかが行動されてこられたのでしょうか。今後のこともあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
 目を地元に転じれば、仙台市を中心とした仙台広域都市圏にある自治体との連携の強化を図ることが必要であると考えます。おのおのの個性を生かした一体的な連携は、全体として大きな力を生み出すことが期待できると考えます。都市ビジョン策定の趣旨の中の表現をお借りすれば、仙台広域都市圏の発展に貢献できるような都市機能を備えることは仙台の責任であると言えます。今後、都市圏の一体感を養うために、お互いの既存の資源の有効利用を図るための具体的な努力の積み重ねが必要だと思います。
 例えば仙台市が提案し、宮城県内に広がったどこでもパスポートに代表される社会教育施設の無料開放事業の推進や、都市圏全体を視野に入れた新しい社会教育施設の建設の検討など、仙台都市圏の中で一体感を養うために本市が果たすべき役割は大きいものがあると考えます。
 仙台広域都市圏というかかわりをどうお考えになっておられるのか、本市がどのような役割を果たすべきとお考えになっておられるのか、梅原市長としておやりになろうとしているお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さて、先日、県営宮城陸上競技場の仙台市移管問題に大きな大きな進展があったことが報告されました。知事、市長の御努力に敬意を表するとともに、長年にわたり粘り強くこの課題に取り組んでこられた仙台市担当者の皆さんに感謝を申し上げるところであります。
 移管に関して残された課題が一日も早く解決され、仙台市民、利用者にとって望ましい合意がされますことを切に願うものであります。
 一方、宮城陸上競技場は大きな面積を占めるとはいえ、宮城野原公園総合運動場の一部に過ぎません。ゴールデンイーグルスの本拠地でもある野球場の老朽化に伴う改築の問題もあり、一体的整理が求められております。最終的には宮城野原公園総合運動場の全面移管が、本市にとりましても、利用者にとりましても望ましいことと考えますが、市長はいかがお考えでありましょうか。今後の取り組みもお聞かせをいただきたいと思います。
 また、かねて申し上げておりますように、隣接するJR貨物ヤード移転後の跡地利用は本市のまちづくりに大きな影響が考えられます。本市はこの問題に積極的に取り組み、仙台市東部地区の核として位置づけるべきと考えます。宮城野原公園総合運動場を中心に、東の卸町団地、西の駅東地区と一体となった整備は、仙台広域都市圏のかなめとして、また将来の東北州の州都を目指す仙台の都市機能を支えるものとなると思いますし、そうしていくべきものであると考えます。  事業主体、手法、関係者の役割分担など、多くの越えなければならない課題はあるとは思いますが、本市まちづくりにかかわることだけに、市長は宮城野原公園総合運動場の移管問題の一部解決を機会に積極的にこの問題に取り組むべきであると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 関連して、駅東第二工区にある市有地の利用の検討はいかがなっているのか、お聞かせください。
 平成二十五年度完成に向けて、区画整理事業が確実に進んでおります。それまでこの土地の開発については地元の利用もあわせて考えながら、広く仙台の都市機能を高めるために利用すると説明を受けてまいりました。
 都市ビジョン策定により加速度的に進行すると思われる仙台市の都市機能整備の中で、市長はいかがお考えになっておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 教育環境の確保と整備に関して何点かお尋ねをいたします。
 就任早々の平成十七年度第三回定例会においての教育行政に関する私の質問に対して、市長は、教育委員会との緊密な連携の重要性の御認識と学校を初めとする教育現場を尋ねて教育実践に対する理解と現状把握をしていく旨の抱負を述べられました。
 まず初めに、これまでの本市の教育行政に関する市長の基本的な取り組みと評価について御認識をお聞かせいただきたいと存じます。
 実際に教育行政をつかさどる教育委員会の教育委員の役割と責務は重大であると考えます。教育委員の選任に関して市長は大きな権限をお持ちになっておられるのでありますが、選任に当たっての市長の基本的なお考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
 また、行政の長として、あるべき教育委員会との関係をどのように構築されてこられたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 これまで教育現場に足を運ばれ、実態把握をされて、どのような認識をお持ちになり、市政にどのように反映してこられたのかもお聞かせをいただきたいと思います。
 さて、本市教育委員会は、今大きな課題を抱えております。少子化による児童生徒の減少による学校規模、小・中学校統廃合の問題がそれであります。この問題については、平成十七年二月設置された仙台市立小・中学校適正規模検討委員会が最終報告書をまとめ、近々教育委員会が一定の方針を策定する予定とお聞きをしております。
 児童生徒の教育環境の確保という教育的観点からの検討でありますが、統廃合検討の俎上に上っている地域にとっては社会問題になっている現実があります。検討の対象になった多くの地域から、学校存続に関しての要望・陳情が市長のもとに届いているとお聞きしております。適正配置の最終決定の責任はどこが担うことになるのか、いつごろまでに決定するおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
 一方、人口急増地域における教育環境の確保という問題もあります。長い間の懸案であった広瀬小学校、大野田小学校は、それぞれ分離新設のめどが立ちましたが、広瀬小は六年、大野田小は実に九年間、児童がプレハブ教室で学ぶことを強いられます。これから問題になるのが新田小学校、七郷小学校であります。児童生徒の増加の見きわめをできるだけ早くして、対策を講じてほしいと考えます。プレハブ教室はあくまで緊急避難的措置であり、早期解消へ向けての特段の御努力をお願いしたいと考えますが、いかがお考えでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 平成十八年度施政方針の中で、市長は子供の育成に触れられ、子育てと教育に関しては家庭、学校、地域のおのおのがお互いに連携しながら責任を果たしていくことを求められました。人口減少地域でも増加地域でも、本市においては学校問題は、子供のいるなしにかかわりなく、地域全体の問題として位置づけられ、解決に向けて総力で取り組むという美しい伝統が学校を中心とした地域に脈々としてあります。この美風はぜひ大事にしていきたいものであります。
 去る九月二日、仙台駅東地区内にある通称藤村広場で、文豪島崎藤村の直筆を彫り込んだ歌碑の移設除幕式典がありました。休日にもかかわらず、地元榴岡小学校の六学年の児童がそろって出席し、校長先生の教育的配慮でこの日のために学習した地元ゆかりの文豪、島崎藤村の詩集「若菜集」の一編「初恋」の群読を披露してくれました。
 梅原市長を初め多くの御来賓、地域関係者、御父兄など、多くの参加者の前で堂々のすばらしい群読は、参列した多くの人々に感動を与えました。休日にもかかわらず榴岡小学校児童の参加がかなったのは、校長先生初め先生方の御理解、父兄の御協力、そして日ごろから地域との良好な関係があったからこそであります。
 仙台市内各地域で見られるこの三者の協力関係が今後も良好なままで維持されるよう、学校教育環境の整備に当たっては、市長を初めとした行政御当局の特段の配慮と御努力を期待するところであります。  以上をもちまして私の一般質問第一問にさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

答弁:市長(梅原克彦)

 ただいまの渡辺博議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、私の市政運営についての基本的な姿勢についてのお尋ねがございました。
 私は、二年前の仙台市長就任以来、可能な限り政策あるいは施策の現場にみずから出向きまして、そこで市民の皆様方あるいは関係の団体・事業者の皆様方からできるだけ生の声を伺い、それを可能な限り仙台市政に直接あるいは間接的に反映をさせるという姿勢で仕事をしてまいりました。また、できるだけ私自身の言葉で御説明をしながら、さまざまな政策の推進に全力を尽くしてまいったところでございます。もちろんまだまだ至らぬ点がございますところ、今後ともこういった姿勢で努力をしてまいりたいと思います。
 とりわけ市民の皆様の声により真摯に耳を傾け、また市議会での御議論も踏まえて、市民の皆様とともに仙台市民本位の市政運営に全力を傾注してまいる所存でございます。
 仙台市がより豊かになり、市民の皆様が幸福を感じていただけるような都市として発展していくため、やはりスピード感を持った行政が必要であると思います。市民の皆様の声もよく伺いながら、そしてスピード感を持って、現状肯定的な姿勢では、仙台という非常に潜在的な可能性を大きく持った都市の発展という文脈で考えたときに、将来の得べかりし利益を損なってしまう、あるいはだんだんとじり貧になっていくと、こういう危機感を持って仕事をしております。どうかそういった姿勢についても御理解を賜ればと思っております。
 次に、基本構想についての認識についてお尋ねがございました。
 仙台市基本構想、これは平成九年三月に議決をされたものでございます。二十一世紀半ばを目標として長期的な観点から高齢化・少子社会の到来など、その時点において予測されるいろいろな変化を乗り越えて、将来の仙台をより希望に満ちたものにする、そういった問題意識で策定をされたものでございます。
 「やすらぐまち」、「うるおう杜」、「にぎわう都」、「かがやく人」、この四つの都市の像と、そして施策の方向性としては、すべての仙台市民が、例えば障害の有無にかかわらず、年齢・性別・国籍などにかかわらず、自立して幸福に生活をできること、杜の都の良好な環境を保全し未来に継承すること、仙台の都市の活力と市民生活の豊かさを支える産業あるいは中小企業の振興を図ること、大学などの知的資源を生かしながら未来を創造する世界の学問の都、学都を目指すことなどを掲げているわけでありまして、こういった基本構想に示された都市像、方向性については現在においても基本的には変わりがないものと認識をしておりますし、現に今回策定した仙台都市ビジョンもそういった文脈の延長にあるものでございます。
 そこで、新計画の策定に関するお尋ねでございますが、現在の仙台21プラン基本計画は平成二十二年度が最終年度でございますので、新しい基本計画の策定に向けて作業を進める必要があると認識しております。本年度は、その新しい基本計画の基礎となるような将来の人口の推計システムの構築ですとか、各種の基礎データの収集など、基礎的な作業に取り組み始めているところでございます。  そして、東北の自立的発展を支えていくために仙台市としてどのように取り組むべきかという大変重要なお尋ねでございました。
 常日ごろ申し上げますように、仙台市が東北の中枢都市であることは間違いないわけでございますが、現在のみならず、将来仮に道州制が導入されたときに、仙台市が東北の州都として自立的な発展をし、そして東北地方のそれぞれの地域が持っている強みを生かしながら、東北地方の各地域との間で広域的な連携を強化していくことが重要であると認識しております。
 仙台市の強みはたくさんございますが、例えば大学などの知的集積を活用した産業の振興等々、東北の諸地域の間でのネットワークのハブ、核になる役割を果たすことができるわけでございますし、空港を初めとするゲートウエー機能が充実しております。これをさらに高度化をしてまいることが必要だと思っております。
 そこで、観光連携を例にとって、仙台・山形・福島の三市の連携についての評価のお尋ねでございました。
 昨年の五月に経済局が中心になりましてこの三市連携のスキームができたわけでございます。また、三市の市議会における連携も順調に進んでいると認識をしております。十一月にはタイにおける観光物産展などのプロモーション活動、私自身も参りましたが、国内外からの旅行エージェントの受け入れ、仙台市が行う物産展などでの相互支援といった具体的な取り組みを行っております。
 これがさらに具体的な成果物を生み出せるかどうか、これは今後私どもの努力にかかっているわけでございますが、例えばバンコク・仙台便の直行便の実現などに向けて、より具体的な成果が出ていくように今後も努力をしてまいりたいと思います。
 南東北の県庁所在地三市が一体となって南東北全体の地域一体となった魅力をアピールできるようにするなど、いろいろな形でのPR活動を展開し、三市全体にメリットが及ぶような、あるいは三市、そしてその近隣の自治体にも誘客力の向上がもたらされるようなもの、現状において既に効果が出ているわけでありますが、さらにその推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、道州制についてお尋ねがございました。
 道州制は、その実現までにはまだまだ国民的な議論の積み重ねが必要であると考えております。
 仙台市が東北の中心都市であり、中核都市であるという現状、これは紛れもないことでございますが、仮に道州制が導入された場合であっても、仙台市が直ちに州都となるかどうかは予断を許さないことであるというふうに認識をしております。人口的に、あるいは産業、行政、政治的な中心であるということと州の都をどこに置くかという議論とは別の次元の議論もございますし、諸外国の例で見ましても、州都が大都市にあるとは限らないという例もございます。
 いずれにしましても、東北のゲートウエー、そして先ほど申し上げたネットワークの核としての機能の強化を図り、仙台自身の都市活力の増進を図る、これが結果的に東北地方全体に仙台が貢献しながら、そのことによって東北地方全体から仙台という都市が信頼され、評価をされ、おのずから東北州の州都は仙台以外にはなかろうというふうに収束していくと、このようなシナリオを描いているわけでございます。
 次に、宮城野原公園総合運動場の全面移管についてのお尋ねがございました。
 陸上競技場だけではなくて、総合運動場全体を仙台市に移管をすべきであるという御指摘でございました。
 まず、今回の宮城陸上競技場の譲渡につきましては、一昨年の秋に村井知事が知事に御就任された直後から、知事と私、そして県当局と私ども市当局との間で水面下の協議を地道に粘り強く進めてまいったものでございます。
 現在、最終的な合意に向けて、できますれば年度内に最終的な合意を目指しているわけでありますが、譲渡に伴うさまざまな具体的な条件、内容を県と詰めているところでございまして、できるだけ早く、今年度中には合意を得たいと考えております。
 陸上競技場以外の施設を含む宮城野原公園総合運動場の全面移管につきましては、あくまで仙台市民にとっての利益を第一に考えながら、当然のことながら財政負担などのさまざまな大きな課題がございますので、今後も市民の皆様の御意見、そして議会での御議論を踏まえて、幅広く柔軟に検討してまいりたいと考えております。
 次に、JR貨物宮城野コンテナヤードを活用したまちづくりについてのお尋ねでございます。
 同コンテナヤードにつきましては、御指摘のとおり、大変貴重な場所でございます。仙台駅の東口と卸町地区の中央に位置する、非常に大きな広さの場所でございまして、この大規模な民有地の土地利用については、仙台市域全体のまちづくりにとって非常に重要なものであると認識しております。
 現状においても、周辺の住民の皆様方からは騒音とか振動について具体的な苦情が寄せられておりまして、現状についてやはりこのまま放置しておいていいものではないという認識を持っております。
 当面、現在の事業主、所有者であるJR貨物の側ともよく協議をしながら、仙台駅東第二地区における土地区画整理事業の進展ですとか、言うまでもなく地下鉄東西線の整備など、周辺の環境あるいは条件にも今後五年から十年のタイムで大きな変動が予想されますことから、私どもとしましても極めて重大な関心を持ってこの土地の将来の利用形態について検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、一連の教育関係のお尋ねにお答えを申し上げます。
 教育環境の確保と整備に関する基本認識でございますけれども、言うまでもなく、教育は、お子さん方本人の人生の幸せのため、そしてその子供さんの住まう地域、そして広く国の将来、まちの将来にかかわる大変に重要な基礎となるものでございます。国土も狭く資源もない日本の国の将来は、教育を通じた将来を担う人材の育成にかかっていると言っても過言ではございません。
 子供たちには、複雑になる現代社会の中で、今まで以上にたくましく生きる力を持ってほしいと思っております。子供たちが新しい時代を切り開いていくことができるような、心が豊かで、精神的にも、そして体力的にもたくましい人間として、相互に切磋琢磨しながら育っていくことのできる環境の充実に力を惜しまない所存でございます。
 とりわけ学力の向上につきましては、やはり喫緊の課題であると認識をしております。まずは基礎学力、国語や算数、数学といった基礎学力を着実に身につけた上で、問題解決能力、応用力、論理的思考力といったさまざまな能力を磨くことも大変重要でございます。
 仙台市の教育委員会におきましては、今般、四月に実施いたしました仙台市独自の標準学力検査ですとか、家庭学習ノートの策定ですとか、いろいろな全国的に見ても先進的な取り組みを行っておりますし、先般のPTA協議会の東北大会においても仙台市の取り組みが高く評価されたというふうに伺っております。
 今後とも、学力と体力、そして家庭と学校と地域という中で、バランスのとれた教育行政を教育委員会が推進できるように、市長としての必要な支援をしてまいりたいと考えております。
 教育委員会の委員の選任についてお尋ねがございましたが、教育委員会の委員につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして、人格が高潔で、教育、学術、文化に関し識見を有する者のうちから、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命するというようなことになっております。
 こうした資格要件を満たし、仙台市の教育のあり方について適切な御意見をいただける方が教育委員にふさわしいものと考えているところでございます。
 教育委員会及び教育委員との首長との関係についてでございますが、教育委員会は首長とは独立した別の執行機関でございます。教育行政の推進には、別の独立した執行機関としての独立性を尊重しつつ、首長との間で互いの意思疎通と理解が不可欠であると認識しております。
 必要に応じまして、教育委員会とはさまざまな形で情報の交換や意見交換を行っておりますし、教育長とも日々いろいろな議論を行っております。各委員の方々ともいろいろなイベントのときに懇談をする機会を設けたり、いろいろな行事で御一緒する際に意見交換をさせていただいております。
 次に、教育現場の実態の把握についてでございますが、先ほど来申し上げておりますような、教育についての問題意識を持ちつつ、関係の皆様と直接いろいろな意見交換をする機会を設けたいと考えておりますし、また実行しております。
 PTAの各種行事、大会などに参加をしたり、あるいは小学校のアントレプレナー教育、起業教育に関する公開研究会にも出席をしております。最近では富沢中学校でプロの将棋の棋士をお招きいたしまして将棋教室を開催した際に参加をいたしまして、生徒さんやいろいろな先生方と親しくお話をする機会もございました。
 これに加え、現役の小・中学校の先生方から定期的に直接生の声を個人的な形でお聞きしております。現在の仙台市の教育について現場の生の声、日ごろ職場ではなかなかおっしゃられないような事柄も含め、率直なレポートあるいは問題意識に基づいた意見具申などをいただいております。
 教育を取り巻く環境の変化、いじめの問題など、たくさんの課題があるわけでございますが、いずれにしろ、日々子供たちと向き合って真剣に教育の仕事に携わっておられる現場の大多数の先生方の日々の御努力を私は高く評価をし、心から尊敬を申し上げております。一部の不心得な教職員による不祥事、改めて市民の皆様に市長としておわびする次第でございますが、大方の大多数の教職員、一生懸命まじめに、子供たちを愛して、教育の現場で取り組んでおります。
 安全・安心の確保など、仙台市全庁挙げて取り組むべき課題も多々ございます。引き続き教育委員会と密接な連携をとりながら、各種施策の推進に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、小・中学校の統廃合に対する基本的考え方と取り組みについての御指摘がございました。
 少子化が進む中、仙台市立の小・中学校の小規模化が進行しております。子供たちが多様な人間関係を通じて社会性を養うこと、そして学習面でも十分な環境を整えていくといった観点から、学校として望ましい一定の規模を確保していくことは大変重要なことだと考えております。
 そこで、具体的な取り組みを示す計画につきましては、現在、教育委員会が慎重に検討を行っております。最終的な決定は教育委員会に属することではございますが、教育長からの御報告を定期的に受けておりますが、決定の時期を含めて慎重な検討を行っているというふうに報告を受けております。
 引き続き教育委員会と十分な意思疎通を図りながら対応してまいりたいと考えておりますが、御指摘のありましたように、学校というのは教育施設であるとともに、地域コミュニティーにおける大変重要な、さまざまな役割を担っているわけでございます。
 しがたいまして、この小・中学校の統廃合の問題は、単に教育政策の問題だけではないという視点が重要であるかと存じます。私も地域内、いろいろな地域にお邪魔した際、最近では高砂地区にお邪魔した際に、中野小学校の現状について地域の方々から大変切実なお話を承りましたし、近くでは東二番丁小学校の関係者からいろいろ直接なお話を伺っているところでございます。
 こういった地域コミュニティーにおける中核的な役割、これをないがしろにすることなく、学校教育の面における先ほど申し上げたような種々の重要な視点とあわせ、総合的に、かつ慎重に今後のスケジュールなどを、副市長以下の幹部、そして教育委員会とも検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございまして、そのほかの質問につきましては関係の局長から答弁をさせたいと存じます。
 以上でございます。

答弁:企画市民局長(宮本昭彦)

 私からは、仙台都市圏についての御質問及び駅東第二工区についての御質問にお答え申し上げます。
 まず、仙台都市圏の中で本市、仙台市がどのような役割を果たすべきかとのお尋ねがございました。
 仙台都市圏におきましては、日常的に市町村の境を越えて市民生活や経済活動が営まれており、通勤通学やショッピングなどで本市にお越しになる市外の方も多いところであります。
 引き続き、仙台都市圏各市町村の持つさまざまな都市機能や資源を相互に補完し結びつけ、都市圏としての一体感をさらに醸成するとともに、仙台市といたしましても都市機能の高度化、都市機能へのアクセスの向上に取り組み、仙台都市圏の核としての役割を果たす必要があると考えているところであります。
 続きまして、駅東第二土地区画整理事業地内の公共用地についての御質問でございますが、現状といたしましては、換地予定先には一部にいまだ移転の時期に至っていない権利者の方がお住まいになっておられまして、また、それ以外の既に更地となった箇所もございますが、こちらには事業地内の権利者の方のための仮設店舗を設置するなど、この換地予定先につきましては区画整理事業全体の促進を図るために使用しているところでございます。
 この用地の利活用につきましては、仙台駅周辺のまちづくりや本区画整理事業の進捗を踏まえながら、引き続き幅広く検討してまいりたいと考えている次第であります。

答弁:経済局長(萱場道夫)

 観光を糸口といたしましたさらなる緊密な連携と将来構想についての御質問にお答えいたします。
 観光は、地域がお互いの資源を活用することによりまして、観光地としての魅力を倍加させることができ、お互いの利益に反することなく連携関係が構築できるものでございます。したがいまして、他都市との連携の糸口としては大変有効であると考えております。
 しかも、広域観光連携は、国内外から連携した地域に誘客を図るばかりではなく、連携した都市間の人的交流を通しまして、経済・文化・スポーツなど、さまざまな分野における交流を生み出す可能性を秘めております。そういったより緊密な交流連携が、一都市では不可能な大きな魅力や競争力を連携都市に生み出すことになるものと考えますので、今後、連携都市間における幅広い分野での連携の可能性を探ってまいりたいと考えております。
 また、連携の将来構想についてでございますが、仙台・東北の将来にわたる発展のため、観光連携を一部にとどめることなく、さらなる拡充を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

答弁:教育長(荒井崇)

 私からは、教育環境の整備に関するお尋ねにお答え申し上げます。
 プレハブの仮設校舎につきましては、校舎の全面改築や耐震補強工事の際の移動教室としまして、また、一時的に児童生徒が急増した場合ですとか、過大規模校化しまして教室の不足が生じた場合に設置しているところでございます。
 この仮設校舎を使用する期間をできるだけ短くするよう増築や改築のスケジュールなど調整を行いながら対応しているところでございますけれども、児童生徒への負担をできるだけ軽減するために、今後さらに努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

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