渡辺ひろしホームページ“市政一貫”

議会発言

平成20年第1回定例会(第6日目)

平成20年2月26日

 

一般質問

質問:渡辺博

 渡辺博でございます。一般質問をいたします。明快なる答弁をお願いいたします。
 市長は就任早々の第三回定例会において、市政運営の所信を述べておられます。都市経営の基本として、地方分権への対応と市民参画が必須であり、国に頼らない自立した地域経営の確立に向けて、他の自治体と連携して取り組むことの必要を述べられました。また、東北全体の発展を支えていくことが本市の未来の繁栄に着実につながっていくことを踏まえ、県内市町村はもとより、東北各都市、各地域との主体的な広域連携を深めていくことも宣言されました。
 さて、御就任後三年経過をして、これらの問題についていかがお取り組みになられたのでしょうか。まずお聞かせをいただきたいと思います。
 平成十七年十一月の気仙沼、平泉、松島との二市二町宣言、平成十八年五月、福島市、山形市との広域観光連携の推進に関する三市協定を見るばかりで、その後の進展が見えません。これら具体の二件につき、どのように取り組んでこられたのかも、市長の率直なお答えをお聞かせいただきたいと思います。
 私は過去の議会で、本市が名実ともに東北の中枢都市となるためには、東京を頂点としたピラミッド型の中央集権的なモデルではなく、新しいモデル、各都市間の平等互恵を念頭に置いた相互の信頼と期待に基づいたネットワークの構築を提案いたしました。そのネットワークの中で、各都市がそれぞれ持つ歴史、伝統、文化を生かしつつ自立し連携する、その中で仙台自身が信頼と期待にこたえていくことが中枢都市仙台、道州制度のもとでの政治首都仙台につながってゆくのではないかと問いかけました。これに対して、市長も各都市の特性や持っている資源に着目した相互の戦略的連携の必要性を認め、仙台市の主体性を発揮しつつ、市長として自身のリーダーシップを発揮して積極的な役割を果たしたい旨答弁されました。
 そこでお尋ねいたしますが、この件については今までいかが取り組んでこられたのでしょうか。二年余りたち、今日の状況、今後のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 市長は、市民満足度の重要な要素となる都市の経済力の向上についても抱負を述べておられます。その中で、成長著しいアジアを初め世界との交流を通じて、企業、研究所の誘致や観光集客などの推進を図り、東北全体の活力を高めていく広域的な取り組みを進めていくことを述べておられます。本年の施政方針の中でも、国際会議の誘致、東南アジアを初めとした海外諸都市、地域との経済、観光交流を進めるとのことであります。現在まで梅原市長の特段の肝いりで、タイ観光物産展を二回にわたって開催してきておりますが、まだ評価は定まらない状況であります。市長は過去二回のタイ観光物産展を、今どう評価されておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 ことしは市長自身、いかが工夫をして取り組むお考えでありましょうか、あわせてお尋ねをいたします。さらに、タイ物産展の今後をどうお考えになって、どう発展させようとしているのか、市長御自身のお考えもお聞かせいただきたいと思います。
 市長が就任早々お出かけになった他の海外諸都市、関係団体とのその後はいかがなっているのでしょうか。まいた種はいかがなっているのでしょうか。まいた種は育てなければ成長しないと思います。御自身もそうおっしゃっておられました。いかが手を入れているのでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 市長御自身が議会で宣言されましたように、批判に臆することなく、積極果敢に挑戦する実践主義の人と私は認識をしておりました。しかしながら、今は遠慮がちに行動され、寡黙な人を任じておられるように見えます。批判にしっかりこたえるためにも、臆することなく積極果敢に挑戦しなければ、結局はむだな出張であったという批判を改めて受けなければならないと思うのでありますが、いかがお考えでありましょうか、お尋ねをいたします。また、さきの海外出張をどのようにして成果につなげようとしておられるのか、お考えをお聞かせください。
 心配なことがあります。長町地区にあった中華街構想が市長の強力なリーダーシップで中止になって以来、市長は中国がお嫌いであるという風評が仙台市内に流れておるということです。先日、中国と交流している代表的と言える団体の役員さんたちとお会いしたときのあいさつの中で触れられたのが、このこと、つまり市長の中国嫌いでございました。本市には、中国と取引をしている企業が多数あり、その中には中国に大きな工場を設けている企業もあります。また、姉妹都市長春市との長く親密な交流も大事にしなければなりません。さらに、仙台市は中国建国の精神的なバックボーンになった魯迅のゆかりの地であり、中国政府も格別の思いで本市を評価していると私は思っております。発展著しい中国を視野に入れた国際交流は、本市にとって、とても大事なことに思います。しかしながら、施政方針では、東南アジアを初めとした海外諸都市と記され、中国との交流には触れておられません。仙台空港から定期便が飛ぶ国なのですが、なぜなのでありましょうか。
 交流の対象として、中華人民共和国の国名をはっきりと施政方針に明記すべきでなかったかと私は思います。市長は、中国との交流をいかがお考えになっておられるのでしょうか、お聞かせをください。
 さらに、長春市とは一九八〇年十月、姉妹都市提携をして以来、ことしで二十八年目を迎えようとしております。三十年の周年記念を目の前にし、準備にかからなければならないと考えますが、この点についていかがお考えでありましょうか。市長御自身の御訪問の予定はあるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 さて、施政方針の中で、地方分権の実現に向けての市長の決意と具体的取り組みが示されていないのはいかがなものでありましょうか。昨年、平成十九年十一月、地方分権改革推進委員会から中間的な取りまとめが報告されて、いよいよ第二次分権改革への最後の取り組みが始まりました。当事者である自治体の決意と覚悟を促されているのであります。東北のリーダー都市であり、分権改革の先頭を切ることを期待される仙台市長として見識を問われることと思うのですが、いかがお考えになっておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 分権改革は、地方自治体の自立を確立するもの、仙台市にとっては市民のための改革でもあります。市長として、市民に事の重大さを訴え、共有し、市民の意識の喚起を促し、分権改革実現に向け一体となった取り組みを進めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 施政方針の中で、あすの仙台をつくり、真に自立した都市を形成していく上で、それを担う人材の育成が欠かせない、そう述べておられるのであります。本市市政の中で地方分権の意義についてこのとき触れられないのは、何か特にお考えがあってのことでしょうか。市長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 私は分権改革正念場の今こそ、市長みずからリーダーシップを発揮し、市民全体で分権改革推進の運動を展開すること、また県内はもとより広く東北一円の主要都市を中心に働きかけるべきであると考えますが、いかがでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 市長の現場主義についてお尋ねをいたします。
 市長就任初の平成十七年九月、第三回定例会の中で梅原市長はこう述べておられます。藤井前市長が一貫して堅持された市民の視点に立つ市政を推し進め、さらに市民満足度日本一の仙台を目指します、そして満足度日本一の仙台とは、市民だれもが幸せを実感でき、誇りを持てる都市であると言い切っておられます。実現のためには、物事を現場からとらえて的確に対処する、そして臆することなく積極果敢に挑戦する実践主義、これを基本に常にみずから市政の先頭に立って行動する、そういう市政を貫く、高らかにこの場、この議場で宣言されたのであります。
 さて、今日までの二年半、市長の現場主義を実際のお仕事ぶりで拝見する限り、いささかの心配があります。まず、市長のおっしゃる現場主義とはいかなるものなのでありましょうか。ここで改めてお聞かせをいただきたいと思います。御自分の関心のあるところには積極的に出かけていくものの、関心のないところは見向きもしない、そういう傾向はありはしませんでしょうか。現場に出かけるかどうかの判断は、どのような基準があるのでしょうか。あるのであればお聞かせをいただきたいと思います。市長が勇んで出かけた現場では、迎えた方々の中に混乱を生じ、事を複雑にしている事例もあるとお聞きするのでありますが、御認識はいかがでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 例えば、市政の中で市民の重大な関心の的になっている課題の一つ、エル・ソーラの見直しについて、市長の現場主義はいかが発揮されているのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。何よりも市民の意向を尊重し、議会の御意見を伺いながら市政に取り組むはずの市長がなぜ、エル・ソーラの現場に足を運んで利用者と親しくお話しをする機会が今までつくれなかったのでありましょうか。不思議でなりません。その理由をお聞かせください。
 ことし一月十五日の記者会見の席上で、市が検討を進めているエル・ソーラの見直しについて、男女共同参画施策の後退ではないかという質問があり、市長は「現在のエル・ソーラを私自身も時々訪ねますが、決して盛況であるという感じはしませんし、いろいろな方の御意見では閑古鳥が鳴いているという声もあります」と答えておられます。また、その一週間後の一月二十二日の記者会見でも、市長自身も現場を見て閑古鳥が鳴いている状況だと思うのかとの問いに対し、私自身も頻繁に行きますが、にぎわっているという感じはしませんと、これまた明快にお答えになっておられます。現在でもそのような御認識をお持ちなのでしょうか、お尋ねをいたします。
 また、一月十五日の記者会見で、女性センター建設構想の迷走の過去の経緯の影響もあると思うがどうかという問いに対し、「長町の女性センターの件は、私の就任前のことですので詳しく存じ上げないのですが、過去の経緯についてはよく聞いてみます」とお答えになっておられます。私からしてみれば、これだけ市民の関心の的になり、再三議会で問題提起をされている事柄だけに、もっと早い時期に経緯を知っておくべきではなかったのではと思うのでありますが、これは就任以来二年余り、お調べになっていなかったということにつながるのではないかと思います。なぜなのでしょうか、お考えをお聞かせください。
 市長、過去の経過を調査し、事実を踏まえながら事に当たる、これも現場主義というのではないでしょうか。ところで、(仮称)女性センターに関して、もう既に経緯をお聞きしたのであると思いますが、御感想をお聞かせいただきたいと思います。仙台市の施策に意見のある市民と同じ目線で対面し、お互いに意のあるところを酌み取りながら、市長みずから十分な説明をし、解決策を模索する、これも私の理解する現場主義であります。市長はこの点いかがお考えになりますか、お聞かせください。交渉力は市長の最も得意とするスキルのはずであります。なぜこのようなケースで生かされないのでありましょうか。
 私は本年、二月初旬の金曜日から二十日水曜日まで休館日を挟みましたが、エル・ソーラに足を運びました。時間帯は昼前後、夕方、さまざまでしたが、いずれも老若男女入り混じって盛況でありました。積雪の日もありましたが、閑古鳥はさすがに居場所がないようで鳴き声は聞こえませんでした。その間、ブースを拠点にして活動している二つの団体の皆さんに御意見を伺うこともできました。既にその活動は内外から高い評価と期待を受けております。聞き取りした二つの団体は、現在貸し出しされているブースをインキュベーターとして貸し出し上限である三年を一期として大きく羽ばたく準備をしており、今が大事な時期にあると私は実感をいたしました。
 私は行財政改革は本市にとって必要なことであると思う立場であり、その推進を主張してきた一人であります。しかし、エル・ソーラの問題は慎重に取り組むべきものであると今考えます。エル・ソーラ、エル・パークを拠点にして活動している団体の方々も、本市にとって行財政改革は喫緊の課題であること、聖域はないことを説明すれば、よく理解できる皆さん方だと思います。私自身、懇談をし、時には厳しい意見のやりとりをしながらそう確信いたしました。
 現在のエル・ソーラには幾つかの厳しい指摘があります。確かに現在のエル・ソーラには改めるところが幾つか見受けられました。例えば事務スペースなどは縮小の工夫ができそうであります。また、研修室も本来のエル・ソーラの活動が優先的にできるように工夫すべきですし、それは貸し出しの工夫で十分可能であると思います。その他幾つかの改善の必要な点がありますが、本質的な問題ではありません。機械的、事務的縮小は避けるべきです。角を矯めて牛を殺すようなことは厳に慎まなければなりません。
 エル・ソーラの今後を考えるとき、交通利便性と今ある機能とスペースを確保することを大前提に、幅広く柔軟に考えることが求められると思うのであります。現在、既にエル・ソーラは仙台都市圏はもとより、宮城県、東北一円の人々に貢献できる仙台市を代表する施設であり、本市の東北における中枢性を今後さらに高めるものになるでありましょう。エル・ソーラは老若男女の別なく、市民一体となって丁寧に育てていくべき本市にとって大事な都市機能の一つであるという認識が必要であると私は思います。市長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 ここで改めて、梅原市長の男女参画社会実現に向けて心がけてこられたことをお聞きしたいと思います。まず、平成十一年度に制定された男女共同参画社会基本法の意義について御見解をお尋ねします。制定以来、国内において男女共同参画の推進に向けた努力が行われてきた経緯があるのでありますが、その流れに対する御認識はいかがでありましょうか、お答えください。仙台市における男女共同参画行政の現状に対する御自身の御認識はいかがなのでしょうか、お聞かせをいただきます。御認識を深めるためには、現場の声を聞くことは極めて大切であると思いますが、いかが行動されてこられたのでしょうか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。男女共同参画せんだいプラン二〇〇四に対する御認識もお聞かせいただきたい。
 さらにお尋ねいたします。現在進行中の男女共同参画せんだいプラン二〇〇四は、平成二十年度をもって五年の計画を終了します。二十一年度以降、どのようにするおつもりでございましょうか。また、さらに継続する際、審議会に諮問することに通常なるはずでありますが、取り扱いをいかがお考えでありましょうか、お聞かせください。また、市長は諮問する際に、現に活動している団体、実際の状況を踏まえておくことが求められると思いますが、いかがお考えでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 さて、これまでの二年半余りの梅原市長の市政を拝見して感じることを申し上げます。まず、広く市民の声に耳を傾ける姿勢に欠けるということ。例えば、エル・ソーラ、エル・パーク問題、これまで二年余り幾らでも話をするチャンスがあったのではないですか。面会を複数の団体から求められても、すべて拒否をしてきた。全体の奉仕者としていかがなものでありましょう。
 次に、重大な政策の変更をする際の市民関係団体への意見を事前に聞き、政策に反映するという姿勢がなく、事後説明で御理解を求める一方であるということ。ごみ有料化に関する一連の市長の行動がそれを示しております。
 三番目に、市政に関して興味があることないことが極端に分かれ、歴史的町名問題は熱心ですが、地方分権問題は余り御関心がない。
 四番目、個人的な好き嫌いが仙台市政に出てはいないでしょうか。台湾には熱心だが、中国には関心を示さず、むしろ批判的である。
 五番目、理念を示すことはお得意ですが、戦略性に欠け、場当たり的であるように見えます。東北のリーダー市の長として、東北全体の中で何をしたいのかというビジョンが示されず、ゲートウエー仙台をひたすら述べるばかりであります。批判されると萎縮してしまう傾向はありませんか。率先しての海外シティセールスに当初の勢いがなくなってしまいました。
 今、今回の予算も総花的で梅原色はどこにあるのでしょうか、私にはわかりません。平成十七年九月第三回定例会、この本会議場で「前藤井市長が一貫して堅持された市民の視点に立つ市政を推し進め、臆することなく積極果敢に挑戦する実践主義、これを基本に据え、常にみずから市民の先頭に立って行動する市政を貫いてまいります」と宣言したあの政治姿勢、あの気概はどこに行ったのでしょうか。支持し、期待した一人としてまことに残念でなりません。中にあっては、仙台市長は市民全体の奉仕者であると私は思いますが、果たしてそう御認識して行動されてこられたのでしょうか。外にあっては、東北の中枢都市仙台の市長としての認識のもと、東北各地の市長と友情、信頼を築いてこられたのでしょうか、心配でなりません。梅原市長のお考えをお聞かせいただき、私の第一問にしたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

答弁:市長(梅原克彦)

 ただいまの渡辺博議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、広域連携と市長の役割についてのお尋ねでございました。とりわけ東北各都市との連携、そして本市の役割についてお尋ねがございました。
 地域間競争が激化する中にありまして、仙台市が東北の各都市、地域との連携を強化しながら、東北地方の中枢都市としての地域の持続的な発展を牽引する責任を果たしていかなければならないというふうに考えております。私が平成十七年八月に仙台市長に就任して以来、議員御指摘の観光面での連携を推し進めてまいりましたが、宮城県の市長会あるいは東北市長会の会長として、東北各都市からの意見の集約あるいは国への要望活動などに、先頭に立って取り組んできたところでございます。また、昨年の十一月、宮城と山形の両県域の交流促進を目指して設立をされました宮城・山形未来創造会議に、宮城県市長会を代表して参画をいたしました。県内各市と山形との連携を推進するほか、国土形成計画法に基づく東北圏広域地方計画の策定メンバーとして、東北地方における都市の将来像などについても議論しているところでございます。
 今後とも東北地方各都市との連携に努めながら、東北の中枢都市として、地域の持続的な発展に資することができるように、求められる役割を積極的に果たしてまいりたいと考えております。
 次に、諸外国との交流についてのお尋ねでございますが、私が市長就任後に出張した国々との関係についてのお尋ねでございます。仙台市の将来の発展のために、仙台の都市としての競争力を高め、また成長の原動力として国内はもちろん海外の諸都市との交流をさまざまな分野において戦略的に推進をし、またそこからの投資あるいは活力を呼び込むことで、将来大きな成果が得られるものと考えております。
 就任当初、海外における仙台の知名度を高めるとともに、東北大学などの仙台のすぐれた知的資源の集積や良好な自然環境など、仙台が持っている優位性や魅力あるいは可能性といったものを、海外の方々にまず知っていただくことが大切だと考えまして、諸外国の国あるいは公的機関のいわゆるキーパーソンの皆様に、仙台を積極的にPRしてまいりました。これらそれぞれの案件につきましては、私もその後関係部局に指示を与えるなどしまして、育ててまいったわけでありますけれども、例えば台南やブルネイにつきましては、青少年を初めとするさまざまな市民交流が進んでおります。交流のさらなる拡大も期待されております。また、タイやフィンランド、シンガポール、イタリアなどにつきましては、健康福祉関連プロジェクトの促進や、東北大学と海外の大学あるいは研究機関との学術交流、そして観光客の誘致などにもつながってきております。
 必ずしもこれらすべてが実を結んだと言える段階には至っておりませんが、少しずつ確かな手ごたえあるいは成果につながっているものと感じております。今後とも海外への働きかけを積極的に継続し、またより大きな成果につなげてまいりたいと考えております。
 また、幅広い分野におけるさまざまな相乗効果を生み出すための新しい働きかけにつきましても、今後その必要性あるいは重要性を考慮しつつ、積極的に行ってまいりたいと考えております。
 次に、中国との関係についての御質問がございました。
 現在、日中両国間においては貿易の総額や人々の往来者の数の重みに象徴されますように、各分野における交流と協力がますます拡大、そして深化をしております。両国間の相互依存関係がますます深まっているものと認識をしております。また、仙台市における中国からの留学生の数は、留学生総数の過半数にも及んでいるというところに、このような相互依存関係が象徴されているものと考えます。御指摘のように、仙台市、宮城県、そして東北地方にとって、中国は今日の国際社会において極めて重要な存在になっているわけでございます。
 次に、長春市との姉妹提携記念事業などについてのお尋ねでございます。長春市とは、昭和五十五年十月の国際友好都市提携以来、さまざまな分野における交流を積み重ねてまいったわけでございます。再来年平成二十二年には、友好都市提携三十周年の節目の年を迎えるわけでございます。現時点で具体的な記念行事などの計画はございませんが、今後両市間で協議をしながら検討してまいりたいと考えております。また、長春市への訪問については、現時点で具体的な予定はございませんけれども、しかるべき機会があれば今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、地方分権に関する数点の御質問にお答えを申し上げます。
 今日の地方分権に向かう大きな潮流、これは国と地方とがそれぞれの役割分担に基づく権限や税源の移譲などを目指す第二次の地方分権改革にとどまらず、その先にある将来における道州制の実現も視野に入れたものというふうに認識をしているところでございます。地方分権は、国と地方とがともに繁栄し、ともに支え合う社会の一翼を担う、私たち地方政府を確立していくための重要な課題でございます。施政方針におきましても、このような基本認識の上に今後の市政運営の考え方をお示ししたところでございます。
 地方分権につきましては、これまでも全国市長会などを通じて国に対しさまざまな提言などを行ってまいりましたが、中でも道州制につきましては、いまだ国民的な議論には至っていない状況にございます。近くまとまる予定の国の中間報告などを契機といたしまして、さらに議論を活発化させていかなければならないというふうに考えるものでございます。今後、国の動向や地方六団体の意見なども踏まえまして、議会との緊密な連携のもと市民の皆様にも適切に情報提供しながら、分権に向けて精力的に取り組んでまいりたいと存じます。
 真に自立した都市を形成するためには、地方分権といった制度面からだけではなく、産業や中小企業の振興を初め、教育、文化といったさまざまな面において仙台が都市としての自立を果たすことが不可欠でございます。こうした総合的な観点から、仙台市における人材の確保、養成、育成に努めてまいりたいと考えております。地方分権改革はこれからが正念場でございます。仙台市民の皆様にこれまで以上の御理解をいただくとともに、議会での御議論なども十分踏まえまして、東北市長会、宮城県市長会はもとより、他の指定都市とともに積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、私の現場主義についてのお尋ねがございました。
 私は、仙台市政の運営に当たりましては、総合的なまた中長期的な視点を持つことが重要であると考えております。また、それとともに現場の問題意識をできるだけ共有し、現場の課題を的確に迅速にとらえる視点を持ちまして、仙台市政に的確にそれを反映させることが極めて重要であるというふうに認識をしております。このような観点から、市長就任以来、できるだけ現場に出向き、あるいは市役所にお訪ねをいただいた際に、市民の皆様、関係者の皆様の御意見を直接に伺ってまいりました。もちろん時間的な制約がございますが、できるだけ市政全般にわたるような柔軟な対応に心がけてまいったところでございます。
 次に、エル・ソーラ仙台についてのお尋ねでございます。
 男女共同参画推進センターの見直しに当たりましても、従来から必要に応じ関係者と意見交換をし、また時間的な制約はございますが、現場にも足を運ぶよう努めてまいりました。今後とも現場の問題意識を的確に把握し、また課題認識を共有するように努めたいと考えております。これまでに利用者の方からお訪ねをいただいた際にもお会いしたこともございますし、今後とも必要に応じて利用者の皆様からお話を伺いたいと考えております。
 また、さきの記者会見における私の発言についてでございますが、エル・ソーラの印象についての発言は、施設空間の一層の効率的な利用を検討する余地があるのではないかとの印象を述べたものでございます。そうした点も含め、十分に検討する必要があると考えております。
 また、女性センターにかかわる発言でございますが、当初長町への女性センター建設の構想があり、それを財政事情などから断念し、現在のアエルビル内にエル・ソーラを設置した経緯はもちろん承知しておりました。私としては、さらに詳細に把握したいということを単に述べたものでございます。過去の経緯を踏まえた現在の考えでございますが、構想づくりにかかわってこられた方々のお気持ちも理解できるところではございますが、何よりも現在の厳しい行財政環境のもとで、行財政改革の推進は不可欠の課題でございます。エル・ソーラの基本的な機能を維持しながら、可能な見直しは進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 そして、エル・ソーラ仙台の持つ都市機能にかかわるお尋ねではございましたが、男女共同参画の推進は重要な課題でございます。引き続き市民の皆様、事業者の方々と連携をしながら、取り組みを進める拠点となる施設でございまして、例えばいわゆるドメスティック・バイオレンスが非常に深刻になる中、DV対策などで仙台市が一定の広域的な役割を担う場面も今後あろうかと存じます。男女共同参画推進センターのこうした機能は、引き続き維持していく必要があると考えております。このたびの見直しに際しましても、基本的な機能は維持しつつ、可能な見直しを図ることとしているわけでございます。
 男女共同参画社会基本法の意義並びに同法制定後の経緯についてでございますが、男女共同参画社会基本法は男女共同参画社会の方向を示し、国、地方自治体、国民が男女共同参画社会の形成を促進する各種の取り組みを総合的かつ計画的に推進するための枠組みを据えたものと認識しております。この基本法に基づきまして、国において基本計画が策定され、法制度を初めとする社会制度や慣行の見直しなど、民間を含め各種の取り組みが進められていたものと考えております。
 仙台市におきましても、平成十五年に男女共同参画推進条例を制定し、さらに男女共同参画仙台プラン二〇〇四を策定して、計画的に取り組みを進めてまいりました。国の取り組みなどとも相まった仙台市の取り組みによりまして、男女共同参画推進条例の掲げる理念の実現に向け、着実に歩んできたものと認識しております。一方、現行のプランが目標として掲げた項目について、いまだ目標の水準に達していないものもあること、あるいはドメスティック・バイオレンスの深刻化など、新しい課題への適切な対応の必要性なども踏まえまして、引き続き取り組みを継続していく必要があると考えております。そのためには、今後、男女共同参画推進審議会の皆様やさまざまな現場の声を伺いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。現行の計画期間が平成二十年度に満了するに際しての対応でございますが、現行プランの評価と現行計画策定後の状況の変化などにつきまして、庁内でも十分に議論をし、また審議会で御審議いただく内容を整理して諮問を行うということになろうと存じます。
 次に、全体の奉仕者としての私の考えについてのお尋ねでございました。
 私は市長就任以来、仙台市民だれもが幸せを実感できる都市の実現を目指して、誠心誠意市政の運営に当たってまいりました。この間の私の取り組みは、ひたすら現在そして将来の仙台市全体の発展と、仙台市民の皆様の安心した豊かな暮らしの実現を図ろうとするものでございます。そのようなことが全体の奉仕者として求められているものと考えております。
 そのほかの御質問につきましては、経済局長から答弁をさせたいと存じます。
 私からは以上でございます。

答弁:経済局長(萱場道夫)

 広域連携に関します御質問と、諸外国との交流に関します御質問にお答え申し上げます。
 まず、県内市町村などとの広域連携の取り組みについてのお尋ねでございますが、他の自治体との観光連携につきましては、メディアなどの受け入れにおいて蔵王、さらには鳴子、そして北東北三県観光立県推進協議会などと連携をいたしまして、取材の受け入れなど広域的な取り組みを図っておるところでございます。御案内の二市二町の連携につきましては、シンポジウムの開催、共同のパンフレットの作成、そして共同のプロモーションの実施をし始めているほか、さらに効果的な連携の観点から広域観光組織の拡大について検討を行っているところでございます。また、三市連携につきましては、誘客プロモーションや物産の輸出促進などを目的とする協議会を立ち上げまして、二回目となるタイ観光物産展を共同で開催いたしました。また、デスティネーションキャンペーンにおきましても、会員といたしまして特色ある旅行商品の開発を共同で行っているほか、三市の共通パンフレットの作成、旅行エージェントの訪問などを行っているところでございます。
 次に、タイ観光物産展についてのお尋ねでございますが、経済成長が著しく、潜在的に大きなマーケットでございますアジア諸国に対しましてプロモーションを行っていくということは、観光面はもちろん経済交流を初めとしたさまざまな交流の可能性を生み出すものと考えております。このタイ国におきます物産展とプロモーション活動などによりまして、観光客の大幅な増加が見られるほか、商談につきましても少しずつではございますが、成立し始めておるところでございます。また、タイと仙台の大学間の交流も始まってきているところでございまして、タイへのプロモーションにつきましては、着実に成果に結びついているものと認識をしておるところでございます。
 今後、物産展につきましては、あわせて商談会を実施するなど、さらに商談に結びつく工夫を行うとともに、引き続き知名度の向上を図ってまいりたいと考えておりまして、当面行政が主体となって実施していく必要があると考えておるところでございますが、将来的には出展者主体の催し物として、本市がサポートするような形で実施を目指していくところでございます。さらにタイでの物産展の成果を見きわめながら、タイ国以外でのより効果的な交流の取り組みについても検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。

質問:渡辺博

 何点か質問させていただきます。
 御答弁の中に、あえてなのかわかりませんけれども、御答弁漏れがあります。しかし、それはいいでしょう。現場主義について重ねて質問をいたします。
 市長の現場主義は、一般的には御都合主義のそしりを受ける危険を私は感じます。例えば、ごみ有料化の問題についてでございます。議会議決の後に、六項目にわたる附帯決議を我々は決議をいたしました。その中の六番目に、市長には全庁的な推進体制の役割を担ってほしいという項目がありますけれども、一つ一つの町内会まで出て説明をしてほしいというところまでは、私は要請していなかったのではないかというふうに思います。しかし、説明をすることには、これはそれなりの意味があると私は思いますが、ここで伺いたいのは、仙台市は組織で動くものであります。市長の働くべき、果たすべき役割というのは別にあるのではないかというふうに、私は議員の一人として思います。また、ごみ有料化のこの問題につきましては、まだまだ反対の市民の皆さん方がいらっしゃるのも現実でございます。最高責任者の市長が説明会に出席するということは、政策の転換ももしかするとあり得るのではないかという期待感を市民の方に持たせる、メッセージを送ることになることもあり得ると、私は考えます。説明をするとすれば、課題になっているエル・ソーラなどのような問題解決のために精力を注ぐべきではないでしょうか。市長の行動は、まさに迷走状態と言わざるを得ないと私は思うのでありますけれども、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

答弁:市長(梅原克彦)

 お答えいたします。
 御都合主義とのお言葉がございましたが、それは当たらないと考えます。私がごみ有料化の地域説明会に出向いて説明を行っている意味でございますが、すべての市民の皆様にかかわりのある家庭ごみにつきまして、仙台市では十月から有料化という、これまでにない大きな制度変更を実施するわけでございます。有料化によりまして、市民の皆様に追加的な御負担をお願いするわけでございますので、市政運営の責任者として、有料化を導入するに至った背景や目的、新たな制度の仕組みとともに、ごみの減量、リサイクルの推進について、私自身の言葉で直接市民の皆様に御説明申し上げ、市民の皆様に御理解、御協力をお願いすることが大切であろうと考えております。市民の皆様から、ごみ問題にとどまらず多種多様な御意見を実際にちょうだいしているところでございますが、もちろんそうした声にも真摯に耳を傾けまして、今後の市政運営に生かしてまいる考えでございます。

質問:渡辺博

 市政運営の基本について重ねて質問をいたします。
 ことしになりまして思いもかけないところで市長に会う機会がございます。多くの団体に御出席をされてごあいさつをされておられる。これは大変結構なことだというふうに思いますが、今まで毎年この時期は第一回目定例会を控えて、各施策、予算の精査に全身で取り組んでおられたと私は認識をしております。今回、その精査に取り組みながら、格段に多くの会合に出ておられて大変なことだと思いますけれども、市政運営の基本にかかわらなければというふうに私は思っております。梅原市長の政治的な羅針盤は定まったように見えますが、それはそれで結構でございますけれども、しかし、仙台市の市長として仙台市政をかじ取りをしていかなければならない、そういうお立場にあって、仙台市政が決して漂流するようなことのないように、平成二十年度はしっかりと腰を据えた市長本来の責任を果たしていくような市政運営を望みたいと思いますが、ここで改めてそのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

答弁:市長(梅原克彦)

 私は仙台市長として、また仙台に生まれ育った者として、私自身の郷里でもあるこの仙台のまちを心から愛すればこそ、現状に決して満足することなく、市役所の中すなわち職員に向かっても、あるいは外、市民の皆様あるいは事業者の方々、各種団体の皆様に向かっても、常に新しい視点でいろいろな問題提起を行い、またともに議論をし、ともに考え、ともに仙台の将来を築き上げる姿勢を心がけてまいりたいと思っております。仙台はこれまでも暮らしやすいすばらしい都市でありましたが、もっともっと仙台はよくなり、またすばらしくなる可能性がございます。これはすなわち仙台に住まう市民がもっと幸せになることだと考えております。そのために全力を尽くすのが私の使命であるというふうに確信をしております。
 以上でございます。

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